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石崎喜久枝役:飯田桃子

--『痕、婚、』を初めて読んだときの感想を教えてください。
初めて読ませていただいた時は、差別が無意識下で起きていることに怖さを感じたと同時に、自分にも気付かぬうちに差別や固定概念を押し付けてしまっている瞬間があるのではないかと、はっとさせられました。
特に、町の人たちの猫に対する扱いや麻子さんがここに来た理由を告白するシーンでそれを感じ、とても印象的でした。


--この作品の魅力を教えてください。
どの登場人物も、時代の中でそれぞれの正義を持ち、強く生きているところだと思います。
正解が無いからこそ、登場人物の言葉を聞いていると、自分はそれを受けてどう思うのかととても考えさせられたり、影響を受けたり、他者の意見も聞いてより深めていきたくなります。

--ご自身が演じる役はどんな人物か教えてください。
喜久枝は、とても親想いな女性です。
手先が不器用だったり天真爛漫な面を持ちつつも、大好きな母のあやを亡くし家族の心にぽかりと穴が空いてしまってからは、より一層“父の友久のことは自分が支えるんだ”、“私はもう大人だから心配しなくて大丈夫だよ”とその穴を喜久枝なりにでも埋められたら……とどこか思って、それを行動に移すことができる強い人物だと思います。

--稽古はどうでしたか?稽古や共演者とのやりとりで印象に残っていることがあれば教えてください。
各シーン毎、丁寧に台本と向き合いながら、1歩1歩共に歩んでいく感覚がある稽古場でした。
何度か同じシーンを稽古する際に、毎回動きや台詞のニュアンスを少しずつ変えて試していく共演者の皆さんの姿がとてもかっこ良くて刺激的でした。
劇団温泉ドラゴンの作品に今回初めて参加させていただく私にとって、飛び込みやすい環境で大変有難かったです。


