成功するとか、失敗するとか、売れるとか、
売れないとか…まぁ色々あるこの世界。
演劇で世界は動かないし、戦争も無くならない、
人の役にも立たない…しかも金にもならない。
まして自らでプロデュースして作品を立ち上げる事は
かなり大変な事である。
何が奴等を動かすのか?
咲かない華は無い。しかし、華は必ず散る…。
でもひたすらに前に突き進む『温泉ドラゴン』。
奴等を観ていると、酒を呑みながら自分も
その答えを一緒に見つけたくなる。
『温泉ドラゴン』は大事な仲間であり、大好きな奴等だ。
千葉哲也(俳優)
とても熱い竜一さんと篤さんが
舞台の上に立つととても冷酷だ。
冷たいかわいた空気のなか
どうでもいい会話がどうでもよくなくなってくる。
ただし甘くみてると不意をついて
二人は爆発する。
まるで少年のように爆発する、
どうにでもなれとでも言うように。
しかし、ラストは、とても洗練された終末が
あなたを襲う。
身震いするような…
とかなんとか書いてみましたが、
要するに、よき兄さん達が
おもしろい舞台やってます!
ほんと、何も考えず是非ご覧あれー。
染谷将太(俳優)
でっけえもんな、そびえたってるね、
見上げるほどにさ、温泉竜は。
ときどき瞳孔が
消える直前のローソクみたく儚げに、
ながっぽそく揺れるんだよ。
ノタレじぬくらいの、ヘタレのハナタレの
バカタレのクソタレではあるけれど、
甘ったるいトコロがコッパミジンもない訳さ。
愛想なしやし。
全身が不穏分子で仕上がってる 不穏分子だね。
チャームでボトム(どん底)で魂(ハート)
グツグツ(ボイルド)な奴らだぜ、アイツラは。
天野天街(劇作家・演出家)
真摯なココロザシこそ!
流山児★事務所を退団した筑波竜一と阪本篤が
2010年シライケイタ作『ESCAPE』で旗揚げしたのが温泉ドラゴンである。
ハードボイルドを「志向」しながらも、
自堕落な身体と思考(思想ではない)しか持ちえない
馬鹿な中年男2人の等身大の身体がブザマにゴロンと転がっていて、大いに笑った。
それは退団後の「無い袖は触れない」地平からの
竜一と篤の素寒貧の劇現場再浮上宣言であった。
そこには、芝居への真摯なココロザシがあった。
あれから5年、白井圭太、いわいのふ健という、これまた、
更なる馬鹿も加わりブザマな「中年男劇団」らしきものに成長?し、
韓国劇団交流企画まで始めた。
エライ!
ただし、俺は白井君の「Vシネマ的叙情性」は正直に言って?なんだけど、ね。
所謂、演劇的ってヤツはあまり信用しない方がいいぜ。
わたしたちの仕事は、カネにもメイヨにもならない馬鹿で真摯なココロザシで
《世界=社会と出会う》こと。
そのうち、ソウルかプサンで会おうぜ。
ブザマも、馬鹿も、オレタチ、芝居者の「生きざま」なんだから、胸張ろうぜ。
『桜』観にいくよ。
流山児祥 (流山児★事務所主宰・演出家・俳優)